再生トナーに関わるリバースオークションのメリットとデメリットについて
ここでは、再生トナーをリバースオークションで購入する際のメリット、デメリットについて考察してみましょう。
リバースオークションとは、従来のオークションのようにバイヤ企業を探すのではなく、その逆にサプライヤ企業を探す方法です。
具体的には、バイヤ企業が提示した購入品の仕様・条件に対し、複数のサプライヤ企業がインターネット上でリアルタイムに価格を競い合う方法です。
それでは、バイヤ企業、サプライヤ企業、リバースオークション運営企業別にそれぞれのメリット、デメリットについて考察してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
バイヤ企業 (買い手) | ・大幅なコストダウンが期待できる。 ・自社で購入先を探さなくても良い。 | ・購入価格が主導となるため、事前に品質や運用方法がわからない。 ・品質不具合の対応に伴い、その手間が増え逆に見えない経費(残業)が増える。 |
サプライヤ企業 (売り手) | ・新規顧客との取引が期待できる。 ・最初から新規開拓するのではないため営業効率が良い。 | ・価格が値下げ一方となるため、利益を圧迫する。 ・次年度は更に値下げの可能性が高いため、継続性が低い。 |
リバースオークション運営企業 (仲介) | ・バイヤ企業のコストダウン金額が多いほど、成約手数料が増える。 | ・再生トナーで何かトラブルがあった際に、他商材の取引に影響する。 |
リバースオークションは、バイヤ企業にとって大幅なコストダウンが期待できる方法だと思いますが、ただ、再生トナーの場合は、印字品質・アフターサービス・運用等の重要な要件が二の次になってしまうため、お勧めできません。
実際にリバースオークションで採用したら、以前よりも品質不具合が多くなり、その対応に費やす手間が増え、逆に人件費(残業)も増えたと言う失敗例(注1)を多々聞いています。
残念ながら運営企業ではサプライヤ企業の実力や実態がわからないため、リバースオークションに参加するサプライヤ企業を事前に選別することができないのです。
官公庁での再生トナーの入札でも「競り下げ方式」を採用する機関はありましたが、現在ではほとんど聞くことはありません。
やはり、再生トナーのように印字品質やアフターサービス等が伴う製品については、再生トナーの販売店から直接購入されることをお勧めします。